【D’n雑誌】栢野 史也選手

本記事は、NAGAREYAMA F.C.の選手兼コーチ、そして選手広報部を務める寺内大登選手が、チームメイトに迫る企画【D’n雑誌】のWeb版です。選手同士だからこそ聞けるリアルなインタビューをお届けしています。

今回は、NAGAREYAMA F.C.のMF24番の栢野 史也選手です。

栢野 史也選手

フミヤにとって「サッカーとは」

D・いつサッカーを始めて、なぜサッカーを続けてますか?

フミヤ・物心ついた時にはボールに触れている環境で、5歳からサッカースクールに通ってました。なぜ現在もサッカーを続けているのかというと、サッカー感を磨き、より良いパフォーマンスをピッチ上で表現できるようにしたいからだと思います。小さい頃と比べて劇的に変化することは難しいと思いますが、精度を磨くことに関して言えば「何歳でも変わらない」と思っています。そこに面白みを感じてるのが大きな要因かと。あとは試合の非日常感も堪らなく好きだからです。笑

D・フミヤ自身の「サッカー論」を教えてください

フミヤ・サッカー論というと正解がないので難しいですが、頑張って答えます。笑 抽象的ですが、サッカーはどのようにして「チーム全員が同じ絵を描いてプレー」できるかが最も重要なことだと思っています。当たり前ですが、サッカーには様々な要素の介入があり、「味方との連携」「敵の妨害」「コートの広さ」「ルール」等々がそれに当たるかと思います。絶対的な勝ちパターンなんて存在しません。一人だけ凄くても勝てないし、素晴らしい選手が十一人揃っていても負けることもあります。そのためにチーム全員が持っている力を最大限引き出せるような取り組みが重要です。常に同じ意図を持ってプレーし続けることが全てだと思っています。

D・サッカーを通して「何を」伝えたいですか?

フミヤ・入団前の代表との面談の際に、「エリートではないからこそエネルギーを伝えられるはずだ」と言われました。確かに自分がサッカーを通して伝えることができるのはそういった部分だと思います。順風満帆なサッカー人生ではなかった上で、それでも競技を続けることに価値を見出し、「成長する姿」がもしかしたら誰かに活力を与えられるかもしれないし、伝えられると信じてるので、そういったエネルギーを全面に出していきます。

サッカーを続けられた恩師の言葉とは何か?

D・今でも忘れられない指導者・選手からのメッセージなどありますか?

フミヤ・高校の恩師で二人のコーチにお世話になったのですが、彼らの言葉は今でも大事にしてます。一人目は「サッカーはどこでやってもサッカー。選手である以上、目の前のトレーニングに全力で取り組み、成長して試合で表現するべきことだ」という言葉です。二人目は卒業する際に個人的に言われた言葉ですが、「フミの長所は探究心だからそれを大事にしなさい。環境が変わってもそれを忘れずに取り組んでいればみている人は必ずいる」とおっしゃってくれました。サッカーを続けているのはこの言葉の影響が少なからずあるからだと思います。先生方ありがとうございます。

彼にとってサッカー人生の分岐点があった。それは一体なぜ?

D・今だからわかる、「あの時が分岐点だな」という時期はどんな時期でしたか?

フミヤ・高校三年生(佐野日大高校)になる直前に膝の怪我をしてしまったのですが、その時期が自分にとっての分岐点でした。それまでトップチームに上がることができず、高校ラストシーズン開始での躓きだったのでかなりショックを受けました。しかし怪我をしたことでかえって焦りがなくなり、自分を見つめ直す時間ができ、成長に重きを置いて再び努力をし始めました。その結果評価がどんどん上がり最終的にCチームからトップチームまで昇格しました。あの時期がなければ大学でサッカーを続けることもなく、恐らくその年の夏で引退してたかもしれないですし、そうなってたら流山FCにも加入することはなかったと思います。

東京理科大学時代。失敗があったからこそ今の「フミヤ」がある

D・大学時代にどんなことを学びましたか?

フミヤ・大学では経営学を専攻してました。理科大なので理系と思われがちですが、数学が苦手でコテコテの文系です。笑 サッカー面では戦術やチームビルディングなど学ぶことができました。論文は経営学×サッカーみたいな内容を書きました。

D・「無駄ではなかった」と思えるようなことはありましたか?

フミヤ・サッカー部の主将としての失敗経験がそれに当たるかなと思います。理科大サッカー部は学生主体(指導者がいなく主将が運営面など統括する)でした。3年時に主将を務めさせていただいたのですが、開幕から2連敗し、その後も波があり勝ちを積むことができず、どん底でした。原因は自分の組織体制作りの甘さでした。体制の変更や外部コーチの招聘が混乱を招いたかと思います。当時の4年生は実力のある選手が多かった為、申し訳ない気持ちがあります。ですがその経験のおかげで、今の自分にとってかなり生きてると思います。

D・普段の生活で意識してたことはなんですか?

フミヤ・特別ないです、部活が朝6時から練習だったのでちゃんと起きれるように目覚ましをかけてたくらいです。笑

D・「大学時代」と「現在」で意識の違いなどありますか?

フミヤ・大学の時、ある程度信頼を得ていたので、周りへのアドバイスや声がけは惜しみなくしていました。社会人になり、そこの役割が変わりました。当たり前ですが、チームや会社で入ったばかりのチームに僕の経歴なんて関係ないです。なので「謙虚さ」と「学ぶ姿勢」は常に意識してます。自分より経験のある人が多いので、気になることがあればアドバイスをもらうことは大事だと思ってます。

D・東京理科大学への進学理由はなんですか?

フミヤ・進路選択を考えるときに、サッカーを続ける選択肢はありました。ただ大学サッカーは門戸が狭く勝手に限界を作ってしまっていました。同時に自分の学びたいこととサッカーの両立を考えていたので、紆余曲折もあり、結果的に指定校推薦の形で、自分が選んだというよりは結果的に決まった感じです。

D・結果的に振り返ってみて理科大はどうでしたか?

フミヤ・実際葛藤もありましたが、ここでしか経験できないような学びがあったのでよかったと思ってます。漠然的にサッカーをするのではなく、自ら組織のことを考えてピッチ内外で意見や経験をさせてもらったことは、僕にとって貴重な財産です。

D・当時のライバル、意識してた選手はいますか?

フミヤ・ライバルという存在はいなかったと思いますが、良い刺激を与えてくれる選手はいました。他チームだと、東京大学と一橋大学には僕らと同じチーム形態の中で、先行くチームと認識してたので、かなり意識はしてました。

D・なぜ「先行くチーム・組織」と感じてたのですか?

フミヤ・彼らは学業のエリートでしたが、サッカーはそうではありませんでした。にも関わらずピッチ上では統率の取れた展開をし、ピッチ外でも明確な組織体制を構築し運営を行なっていました。組織力がそのまま競技成績にもつながるんだと思い知らされた部分でもあります。現在の理科大サッカー部の目標はそこなので、常に上を目指し、上のリーグへ上がり継続的に力を発揮するために、彼らのような取り組みを参考にするべきだろうと思いました。

加入直後の怪我に負けず、闘う漢の言葉を読め

D・流山FCに加入した経緯を教えてください

フミヤ・大学サッカー終了後、サッカーを続けるか迷ってました。ただ「成長したい」その心は持ってたのですが、流山FCの存在は地元なのでイベントや広報誌などで存じ上げてて、色々な選択肢があったのですが、その中でも流山FCに魅力を感じセレクションを受け、代表と話す中で、今までの僕のサッカー人生にはなかった「サッカーで地域を盛り上げる」決断をしました。

D・他の選択肢よりも魅力を感じた部分はどこですか?

フミヤ・交流イベントや、地域貢献をしてる部分ていうのと、サッカー面では、ちゃんと監督がいて、フィジカルコーチもいて、他にもたくさんの方々がサポートしてくれてる環境でサッカーができる素晴らしさに魅力を感じました。まだグラウンド面が整ってない部分などありますが、それはこれから積み上げていけば良いと思っています。とても恵まれてるチームだと思います。

D・加入前の印象・加入後の印象を教えてください

フミヤ・入団前はできたばかりのチームなのにスポンサーの多さや実績のある選手が所属していて注目していました。セレクション時には何人かの選手と一緒にプレーして、高いレベルでのプレーを肌で感じたのと、そんな中優しく接してくれてギャップも感じ、楽しくプレーさせてもらってました。加えてチーム加入時にサポーターの方々が反応してくれて嬉しかったのと、自分の経歴などまとめてくれた記事を書いてくれたことで、いろいろな方々に応援されてるんだなと改めて実感した時でした。

D・流山FCの選手でセレクション時に印象の強かったのは誰ですか?

フミヤ・マサトさんとリュウトくんのCBコンビで、兄弟ってこともあり印象が強く、中盤でボールを受ける際も、いい縦パスを2人からもらえたので、自分も良いアピールができたのではないかなと思います。

D・率直に今の心境を教えてください

フミヤ・知ってる方もいらっしゃいますが、3月の練習中に左足の第五中足骨を骨折してしまい、全治3ヶ月と診断されました。ちょうど4月から新社会人になるタイミングでしたので、松葉杖で出社し、同期などからかなり心配されました。笑 心境としては意外とネガティブになることなく割り切って過ごせてます。復帰への不安は付き纏いますが、しっかり受け入れて一日を大事に過ごしてくだけです。

D・普通であればネガティブになりがちだと思いますが、なぜ割り切ることができたのですか?

フミヤ・過去に精神的に辛いことが何度もあったからだと思います。過去にあったことよりはマシだなとよく考えてます。怪我はあくまでも事故的な要素が多いですし、誰にでも起こりうることだと思います。時間が経てば解決すると言い聞かせて流れに身を任せてます。

D・自身のストロングポイントを教えてください

フミヤ・「考えてプレー」することです。体が小さく、スピードも特別速くないので、ポジショニングと基礎技術で勝負してきました。中盤でゲームメイクをするスタイルをずっと貫いてきてきました。ボールを持ってるときもそうですが、オフ・ザ・ボールの時にも注目してほしいです。

D・ボールを保持してない時の「意識」してることを教えてください。

フミヤ・僕は意識してることが3つあります。1つ目はボールを受けれるタイミングを探り、先読みすること。2つ目はDFラインと中盤のラインでボールを受ける「目的」を持つこと。3つ目に関しては、、、(Dの判断により省略・内容が超有料級なので非公開にさせていただきます)

D・今シーズンの意気込みを教えてください

フミヤ・まずはいい状態で復帰しチームに貢献したいと思います。シーズンを進めていく中で、勢いを加えられる存在になっていきたいと思います。応援よろしくお願いします!

栢野 史也選手のプロフィール

栢野 史也選手

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